感情の波のなかで

日曜日のnoanoa ライブ。

アンコールに歌ったナンバー『蘇州夜曲』で、気がつくと目の前の
客席の殆どの方が、泣いていました。

私も瞳に涙がたまって、まばたきをすると、こぼれるのが分かって
エンディングまで、必死で目を見開いて歌っていました。

カメラマンの方も、目がかすんでシヤッターがきれなかったと
メールで教えてくれました。

2部からふらっとやってきた男性も、帰り道、泣きながら帰ったと日記にアップされていました。


感情移入して、歌うことが、人の心を動かすこと、、改めて感じました。

きっと、あの人が、天国から遊びに来てたんです。

この日の夜、私はずっと、側に彼の温かな気配を感じていました。




今回のnoanoaは、実は、個人的な覚悟を持って、臨みました。

いつも、あの席で笑って応援してくれた、あの方の笑顔に逢えないのが分かっていたから。

「ジャズストリートチのチケット買ってナオミちゃんに会うの楽しみにしてたのよ」


その方の急遽を知ったのは、ジャズストリートの前々日でした。

信じられませんでした。

1月25日、ジャズスストリートの翌日の早朝、私は宿泊先の新潟のホテルから、
彼の告別式に参列してお別れしてきました。

でも、実感がありません。

今でも、客席で彼の姿を探してしまいます。

20通近くいただいた、手書きのファンレターは、まだ読み返すことができません。



でも、noanoaで、音楽を、ジャズを、歌を通して、彼の魂と交信できたような気がしました。


小出紗重子さんのピアノ、東さんのベース、とてもリラックスした音で、暖かい雰囲気のライブでした。


ここ数日、精神的に沈んでいて、2時間のステージを最後までできるか、エネルギーはkeepできるのか

実は不安でした。(前日に風邪までひいてしまったし)

でも、いつもより力まずに、ゆったり、優しい音色を、自分のカラダから感じて声にしていました。

無理なチカラは必要ないと分かりました。




    髪に飾ろか、口づけしよか

    君が手折りし、桃の花

    涙ぐむような、おぼろの月に

    鐘が鳴ります 寒山

          『蘇州夜曲』



春もそろそろ、終わりですね。


(※写真は、本間さんの撮影です。まだ沢山撮っていただいたので、また順次アップしますね)