『硫黄島からの手紙』

今週は月曜日の午前中、久しぶりに映画館でひとりでじっくり『硫黄島からの手紙』を観て来た。

太平洋戦争の激戦地となった硫黄島の戦いを、日米双方の視点から描く2部作で、監督はクリント・イーストウッド。『父親たちの星条旗』がアメリカ側の視点で描かれ、日本サイドの『硫黄島からの手紙』は全編日本語で主演は渡辺謙。昨日のニュースでゴールデングローブ賞外国語映画賞を獲得したといっていた、内外から高い評価を得ている作品だ。渡辺謙演じる指揮官・栗林忠道中将は、日本本土との連絡が途絶するまでの8ケ月のあいだ、家族へ愛情あふれる手紙を送り続けた。アメリカが最も恐れ、尊敬した名将だという。
栗林忠道 硫黄島からの手紙

まるで、自分が硫黄島の穴蔵のなかで戦っているような凄まじい臨場感である。(迫力あるセットとカメラワーク、音響の三位一体によるもの。さすが製作スピルバーグです)と、ただの戦争映画ではない、人間の、そして家族の、シンプルにただ、大切な人と生きることの尊さを、、、感じることができる映画だった。

もちろん、ほんの60年前の、『圧倒的な実話』として、こんな戦争を二度と起こさぬという強烈なメッセージは過去のどの戦争映画よりも強く感じることができた。

天皇陛下万歳』『靖国で会おう』という言葉とともに、自ら手榴弾を頭で爆発させ、若い日本兵が次々と肉塊になるシーン。捕虜にした若いアメリカ兵が息をひきとった後、読まれた母親からの手紙に日本兵の誰もが故郷の自分の家族を思い涙するシーン。熱い塊が胸につかえて、私も涙が止まらなかった。

イーストウッド監督は人物の描きかたに無駄がない。
色のほとんどない、灰色の島を舞台にしていることで、かえって人間の感情が色彩を伴って迫ってくる。

役者の中では、嵐の二宮くんの存在感が素晴らしい!(ケンさんと二ノなくしてこの物語に、ここまで奥行きは産まれなかった!)

映画館で観てよかった、、、素晴らしい作品だ。


なんかね。次々と紹介される長い予告編の映像をみながら、これからはもっともっと沢山の映画を観たいと思った。

だって、映画を観れば、教科書では教えてくれないことが自分の懐にすとんと落ちてくる
絶対、今の自分の人生では味わえない時間や経験を目の当たりにすることができる。
優れた映像技術や制作者の作品に出会えればなおさらのこと。


そんなことを思った冬の1日。